ガスコンロの寿命年数は何年【ビルトインやIHクッキングヒーターの比較】
ガスコンロは、食生活を支えてくれる重要な器具です。
火とガスを使うので、気をつけて使わなくてはいけないものでもあります。
万が一、火災やガス漏れを起こしたら、近隣にも迷惑をかけてしまいます。
ご自宅のガスコンロで「火がつかない」「火の色が変わった」「変な音がする」「鍋が黒くなる」のような症状が出たら注意が必要です。
ガスコンロが寿命の可能性があります。
そこで今回は
- ガスコンロの寿命年数は何年か
- IHクッキングヒーターとガスコンロの寿命比較
- ガスコンロの寿命の見分け方
- ガスコンロの寿命が縮む原因
をご紹介します。
ガスコンロが使えなくなると、食生活が成り立ちません。
工事や設置が必要なので、業者が来るまで数日かかったら大変です。
ガスコンロの寿命の目安を知れば、買い替えをしなければ行けない時期もわかります。
急なトラブルに困らないためにも、寿命の見分け方と併せて確認して見てくださいね。
ガスコンロの寿命年数は何年?
ガスコンロの寿命には、複数の種類があります。
- 本体機器の寿命
- 部品の保有期間による寿命
- 電池の寿命
- ホースの寿命
- 引越しによる寿命
1つ1つご紹介していきますね。
ガスコンロの本体機器の寿命
ガスコンロには「ビルトインコンロ」と「ガステーブル」があります。
ガスコンロの本体機器の寿命は、「ビルトインコンロ」で7年~10年、「ガステーブル」で5年~7年です。
「ビルトインコンロ」は、キッチンと一体型で、「ガステーブル」は、器具をおいて設置してあるタイプです。
パロマは、「ビルトインコンロ」で7年~10年、「ガステーブル」で5年~7年が寿命の目安と公表しています。
「ビルトインコンロ」と「ガステーブル」を比較すると、「ビルトインコンロ」のほうが寿命が長いのがわかります。
これは「ビルトインコンロ」のほうが、寿命が長い理由は、掃除のしやすいからです。
ガスコンロの寿命は、汚れによって迎えることがたくさんあります。
各メーカーの、寿命に関する記載は以下のとおりです。
◆ガスコンロの寿命目安(メーカー別)
メーカー | ビルトインコンロ | ガステーブル |
リンナイ | 記載なし | 記載なし |
パロマ | 7年~10年 | 5年~7年 |
ノーリツ(ハーマン) | 記載なし | 記載なし |
「リンナイ」「ノーリツ(ハーマン)」には、ホームページに記載がありません。
しかし、国内メーカーのガスコンロは、内部の仕組みや、部品の耐久性など、そんなに違いが無いようです。
また、ガスコンロの「耐用年数」も8年になります。
その点から考えると、どのメーカーも、寿命の目安は「パロマ」と同じくらいと考えられます。
ただし、ガスコンロには、部品の保有期間があります。
部品がなければ、ガスコンロの修理ができません。
各メーカーの、部品の保有期間は以下になります。
◆部品の保有期間による寿命(メーカー別)
メーカー | ビルトインコンロ | ガステーブル |
リンナイ | 5年(製造打切後から) | 5年(製造打切後から) |
パロマ | 5年(製造終了後から) | 5年(製造終了後から) |
ノーリツ(ハーマン) | 5年(製造打切後から) | 5年(製造打切後から) |
部品の保有期間が過ぎたガスコンロは、修理ができないことから、故障と同時に寿命になります。
部品の保有期間は、取扱説明書やカタログの「補修用性能部品」に記載してあります。
ご自身のガスコンロの、部品の保有期間を確認しておいたほうがよいでしょう。
また、部品の中で、注意をしたいのが「電池」です。
ガスコンロの電池の寿命
ガスコンロの点火は、電池を使って行われています。
そのため、電池が無くなれば、点火することができません。
ガスコンロの電池の寿命は、半年~1年になります。
半年~1年で、電池の交換が必要です。
ちなみに、自分で電池の交換ができる、ガスコンロがほとんどです。
アルカリ電池を使用してください。
ガスコンロのホースの寿命
ガスコンロのホースにも寿命があります。
一般的には、ガスコンロの寿命と同じなので、ガスコンロを買い替える時に一緒に交換する場合が多いです。
ですが、ガスコンロのホースは、使用環境によって、劣化しやすい部品です。
3年~4年で寿命を迎える場合もあります。
引越しによる寿命
ガスコンロには、引越しによる寿命があります。
ガスには「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類があります。
ガスコンロも、それぞれのガスに対応しています。
- 「都市ガス」:都市ガス用のガスコンロで利用可能
- 「プロパンガス」:プロパンガス用のガスコンロで利用可能
種類の違うガスと、ガスコンロでは使用できません。
ガスとガスコンロが同じでないと、一酸化炭素中毒や火災などの危険があります。
その為、引越し先のガスの種類が違うと、買い替えとなり、強制的な寿命となります。
ガスコンロの内部部品を交換することで、ガスの種類が変わっても使うことはできます。
ですが、交換費用と手間を考えると、ガスコンロを買い替える人が少なくありません。
IHクッキングヒーターとガスコンロの寿命比較
IHクッキングヒーターと、ガスコンロの、寿命を比較すると、IHクッキングヒーターのほうが長いと言われています。
年数で、2年~5年はIHクッキングヒーターのほうが寿命が長いと、取付業者が公表しています。
ガスコンロよりも、IHクッキングヒーターのほうが寿命が長い理由は、構造にあります。
IHクッキングヒーターは、ガスコンロと比べて、五徳など出っ張り部分がありません。
その為、吹きこぼれなど、「汚れ」の掃除がしやすいです。
「汚れ」は、汚いだけでなく、部品や本体の劣化の原因となります。
その為、IHクッキングヒーターのほうが、ガスコンロよりも寿命が長いと言われているのです。
また、IHクッキングヒーターにも、部品の保有期間があります。
◆部品の保有期間(メーカー別)
メーカー名 | 補修用性能部品の保有期間 |
パナソニック | 8年(製造打切後) |
日立 | 6年(製造打切後) |
三菱 | 8年(製造打切後)※2006年9月以前は6年 |
IHクッキングヒーターも、部品が無ければ、修理ができず、強制的な寿命となります。
ガスコンロの、部品の保有期間が5年なので、IHクッキングヒーターのほうが保有期間が長いです。
部品の保有期間でも、IHクッキングヒーターのほうが、寿命が長いと言えます。
ただし、使用環境や使用頻度によって、IHクッキングヒーターも寿命が変わってきます。
IHクッキングヒーターは、使える鍋が限られたり、ペースメーカーがある人は注意が必要です。
寿命だけでなく、ライフスタイルにあわせて選んだほうがよいでしょう。
ガスコンロの寿命の見分け方
ガスコンロが寿命になると、様々な症状が出てきます。
寿命の症状には以下があります。
- ガスコンロの火がつかない・すぐ消える
- 火の状態が変・火の色が変わった
- ガス臭い
- 変な音がする
- スイッチなど部品が壊れる
- プライパンや鍋が黒くなる
上記のような症状がでたら、ガスコンロが寿命の可能性があります。
ただし、ガスコンロが寿命の場合もあれば、すぐに改善できる場合もあります。
寿命かどうかの見分け方をご紹介します。
ガスコンロの火がつかない・すぐ消える
ガスコンロの「火がつかない」「すぐに消える」「点火に時間がかかる」場合は、寿命の症状かもしれません。
ですが、寿命以外の原因でも、ガスコンロの点火関係のトラブルがあります。
- 電池切れ
- ガスホースが踏まれている・折れている
- バーナーキャップのズレ
- バーナーキャップに詰まり
- 点火プラグの濡れ・汚れ
また、長期利用していなかった場合や、朝一番の利用で、点火に時間がかかる場合もあります。
上記の原因を改善しても、症状が変わらなければ、寿命の可能性が高いです。
火の状態が変・火の色が変わった
ガスコンロを使って、いつもと違って「火の状態が変」「火の色が変わった」「炎が大きい」なら、寿命の症状かもしれません。
ただし、以下を改善すれば、通常の火に戻る可能性があります。
- ガスホースが折れている
- バーナーキャップが汚れている
- バーナーキャップにズレがある
- 風が当たっている(エアコンなど)
- 加湿器をつけている
- グリルを同時に使用している
上記を改善しても、いつもの火の状態に戻らなければ寿命の可能性があります。
バーナー部分が腐食していて、火の調節できず、「火の状態が変」「色が変わった」「炎が大きい」症状が出ることがあるからです。
業者に連絡し、ガスコンロの状態を点検してもらうほうが、安全です。
ガス臭い
ガス臭いと感じたら、ガスコンロが寿命の可能性があります。
- ガスホースにひび割れ・穴などがある
- ガスホースが、しっかり取り付けられていない
- バーナーの下部分が腐食により穴が開いている
どの場合でも、ガス漏れによる事故が起きる可能性があります。
絶対に火をつけないで、火をつけていたら消してください。
また電化製品の使用もせず、ガス栓を閉めて、窓を開けるなど換気を行い、ガス業者に連絡しましょう。
変な音がする
ガスコンロを点火した時や、火を消した時に、変な音がすることがあります。
変な音には、寿命の症状の場合もあります。
◆「ボッ」と音がする場合
- 電池切れ
- バーナーキャップの汚れや詰まり
- バーナーキャップがズレている
電池交換や、詰まりを取り除くことで改善することもあります。
ただし、あまりにも大きな音であれば、寿命の可能性があります。
使用を中止し、元栓を閉めて業者連絡をしましょう。
◆きしみ音がする場合
機器本体の金属部分が、膨張したり縮小した時に出る音です。
機器本体が熱くなった時や、熱くなって冷えていく時に、発生することがあります。
通常は問題がない音なのですが、きしみ音が続くようなら、寿命の可能性があります。
業者に連絡し、点検したほうがよいでしょう。
◆ブザー音が鳴る
ガスコンロには、安全装置や、お知らせ機能などでブザーが鳴る機能があります。
その他にも、部品が故障した場合に、ブザーが鳴るガスコンロもがあります。
鳴り方や、鳴り響く時間に違いがあるので、ガスコンロの取扱説明書を確認して見てください。
故障で鳴るブザーの場合、寿命の可能性があります。
元栓を閉めて、業者に確認してもらう必要があります。
スイッチなど部品が壊れる
スイッチなどの部品が、「元の位置に戻らない」「動かない」「ガタつく」ことがあります。
経年劣化による症状です。
交換できない場合は寿命となります。
プライパンや鍋が黒くなる
使っているフライパンや鍋の底が、黒くなることがあります。
これはススによって黒くなっている現象です。
ガスコンロの火に必要な、空気が少ない時に起こります。
- バーナーキャップに汚れ・詰まりがある
- 五徳に汚れがついている
- 鍋に汚れがついている
上記のような状態だと、必要な火が少なくなっていまします。
汚れを取り除いても、ススが発生する場合は、ガスコンロの寿命の可能性があります。
ガスコンロのバーナー部分が腐食していて、火の調整がきかず、炎が大きくなっている状態が考えられます。
業者に連絡し、問題がないか確認してもらったほうがよいでしょう。
寿命の症状が出たら業者に連絡
症状が出ている状態で、ガスコンロを使っていると、ガス漏れや火災の可能性があり危険です。
使用を中止して、ガス会社、またはメーカーなどに連絡をしましょう。
また、点検してもらうことで、寿命の症状を早く見つけることもあります。
寿命年数が近いガスコンロは、毎年点検してもらったほうが安心です。
ガスコンロの寿命が縮む原因
ガスコンロの寿命は、使い方によって変わってきます。
以下のような、寿命が縮む使い方をしていませんか?
- よく吹きこぼれる
- ガスコンロに乗る時がある
- 掃除をしない
- 設置方法を守っていない
上記のような使い方をしていると、ガスコンロの寿命が縮みます。
詳細をご紹介しますね。
よく吹きこぼれる
吹きこぼれが多い場合、ガスコンロの劣化につながります。
吹きこぼれが乾くと、汚れとなり、ガス穴を詰まらせたり、バーナーの腐食の原因になるからです。
なるべく吹きこぼれが起きないように、便利グッズを使うなど、対策をしてみるのもオススメです。
ガスコンロに乗る時がある
換気扇の掃除などで、ガスコンロに乗っていませんか?
危険なので絶対に行わないようにしてください。
また、乗らなくても、重いバケツなどを置くことも、ガスコンロの劣化につながります。
掃除をしない
ガスコンロの掃除をしないと、寿命を縮めることにつながります。
ガスコンロは油汚れが付きやすいので、汚れを放置すると取り除くことが、どんどん難しくなります。
固まった汚れは、「ガス穴の詰まり」「バーナーの腐食」「ゴムホースの劣化」につながるのです。
毎日の料理の最後に、すこし汚れを拭き取るだけで、かなり違います。
大掃除だけでなく、毎日の軽い掃除で、寿命が長くなります。
設置方法を守っていない
ガスコンロの設置方法を守っていないと、寿命を縮めることになります。
ゴムホースの設置で長すぎたり、踏みつけると、ホースの寿命を縮めたり、ガス漏れの危険もあります。
五徳などの接続部品を洗った後、設置が悪い状態だと、火の調整がきかなくなったりします。
また壁などと、距離が短いと火災のリスクがあります。
ガスコンロの下の掃除を行ったときなど、元の設置方法になるよう、注意してください。
ガスコンロの寿命年数のまとめ
- ビルトインコンロの寿命は7年~10年、ガステーブルは5年~7年
- ガスコンロの耐用年数は8年
- 部品の保有期間は5年
- 電池は半年~1年、ホースは3年~4年で寿命になることも
- 引越しでガスの種類変更による寿命もある
- IHクッキングヒーターのほうが寿命は長い傾向
- 寿命は見分けにくいので注意
- 掃除をしないと寿命を縮める
ガスコンロは、毎日使わない日がないくらい働いてくれています。
使い勝手が変わると、困るので、なるべく長く使いたいですよね。
ガスコンロを長く使うためには、こまめな掃除が欠かせません。
ガスコンロは器具の中でも特に汚れやすい器具だからです。
火事防止にもつながるので、毎日軽く拭き上げるようにしてあげてください。