お盆の片付けはいつ?送り火のやり方とお供えや精霊棚と提灯
お盆の片付けはいつかご存じですか?マンションでの片付けには何かと悩みがつきものです。
日本の夏は「お盆休み」があるというのが一般的ですよね。その休みは、先祖様を供養する大切な時間でもあり、家族が集まり団欒する貴重な夏のひと時でもあります。
家族共々、ご先祖様には毎年気持よくお越し頂きたいものですよね。
ご供養の方法は住んでいる地域や宗教によっても異なるものです。送り火のやり方とお供えから精霊棚や提灯まで、一般的なご供養についてご紹介します。
お盆の片付けはいつ?
一般的にお盆の期間は8月13日~16日の4日間と言われていますが、東京では7月13日~16日の4日間であることが多いようです。
どちらの月でも、16日の送り火でご先祖様をお見送りした後にお供え物等を片付けるとされていますので、16日の当日、または17日以降がお盆の片付ける時となります。
(地域によっては15日が最終日というところもあるので、その場合も送り火が終わってから片付けを始めてよいことになります)
あまりお見送りした時から日を空けるのはお供え物も痛みますので、ご先祖様を思いながら頂けるものは頂き、早めに片付けを始めましょう。
食べることができなかったり、燃やすことができない場合は以下の方法を参考に片付けてください。
オガラの片付け方
オガラは燃やすものなので、必ず鎮火されていることを確認してから廃棄してください。燃やせるゴミとなりますが、自治体のルールを確認してから捨てましょう。
キュウリ・ナスの片付け方
ご先祖様がこの世とあの世を行き来するための道具ではありますが、食品ですので燃やせるゴミとなります。
ただ捨てる前に、塩で清めてから手を合わせると、こちらの気持ちもご先祖様の気持ちも違うはずです。やっておきましょう。
提灯の片付け方
白提灯は燃やすことが多かったのですが、現代では不可能な場合が多いですよね。
最近では一部分だけ火を着けて燃やしすぐに鎮火させます。その後は白い和紙などに包んで燃やせるゴミとする場合が多いです。
白提灯以降の提灯は片付けで捨てる必要はありません。毎年使っていいのでちゃんと収納し来年まで保管してください。
吊りタイプと置くタイプがありますがどちらも天然素材でできている部分は保管中に虫に食われる可能性があります。
虫食い防止に防虫剤などの対策をしてから収納しましょう。
送り火の意味とやり方
送り火とは
ご先祖様をお迎えするのが「迎え火」、その逆でお送りする時に行うのが「送り火」です。送り火はご先祖様があの世に迷わずお帰りになる際の、お見送りの火となります。
送り火の日にちと時間帯
お盆の最終日、16日に行います。
地域によっては15日というところもあります。
時間帯は特に決まりがありませんが、家からあの世への目印という意味もあるために夕方以降に行う家庭が多いです。
そしてキュウリやナスで作った牛や馬を一緒に燃やすことで、その動物がご先祖様を天国に連れて行ってくれるという意味合いを持ちます。
用意するもの
- おがら(皮を剥いだ麻。スーパーやホームセンター、花屋などで入手できる)
- 焙烙(「ほうろく」と読み、素焼きの平皿)または、耐熱の平皿
- 新聞紙、またはそれに変わる火種になるもの
- ライター、またはマッチ
送り火のやり方
- 玄関先で焙烙の上におがらを積み重ねる
- 新聞紙などに着火し、おがらを燃やす
- キュウリやナスで作った牛や馬も一緒に燃やす
※昨今ではキュウリやナスの牛馬を一緒に燃やすことが難しいため、菩提寺(=お世話になっているお寺)でお焚き上げしてもらうか、白い紙や新聞紙などでくるんで可燃物として出すこともあります。地域によっては川へ流すというところもあります。
※新盆の場合は白提灯も一緒に燃やします。燃やすのが難しい場合は菩提寺に持って行き、燃やしてもらいましょう。
地域によっては各家庭で送り火をするのではなく、地域ごとで行う場合もあります。京都五山の「大文字焼き」は、その有名なものの一つですね。
各地域の方法に沿って送り火をしましょう。
マンションでの迎え火と送り火の方法
最近はマンションを購入する方も増え、玄関先で火を燃やすことが難しいというケースがあります。
この場合、送り火や迎え火は盆提灯がその役割を果たし、これは玄関に飾る場合が多いものになります。
特に新盆(地域によっては初盆)は故人の霊が初めて帰ってくる盆なので、白提灯を忘れずに飾りましょう。
ロウソクの火を灯せるものもありますが、安全を考慮すると火を入れずに飾るだけで迎え火、送り火の役割とすることも多いようです。最近は盆提灯用のロウソク電池灯のものもあります。
それ以降のお盆には柄の入った提灯を飾ることになります。もし玄関先に盆提灯を飾ることが難しい場合、「迎え盆、送り盆」にしましょう。
迎え盆・送り盆の方法
- 提灯に着火
- 玄関先に立ち、一礼して黙祷
- ご先祖様への迎え(送り盆の場合は送り)の祈りを捧げて提灯の火を消す
古来よりお盆中は火をずっと燃やしたままでしたが、現代ではかなり難しくなっています。特にマンションは、近所との共有スペースが多いため、目立つことをするのを好ましく思わない人も多いでしょう。
マンション内では防火的観点から火を使うことに厳しいルールを設けているマンションもあります。
ご先祖様とこの日を大切にしたいでしょうからマンションでは、その場で着けてすぐに消すこの方法を使ってください。
精霊棚の作り方
お盆の独特なものとして有名なのが「精霊棚(しょうりょうだな)」または「盆棚」です。これはお盆のときのみ使用する祭壇のようなもので、ここの上に位牌やお供えを置いて飾り付ける場となります。
お盆期間中、ご先祖様方はお仏壇ではなく、この精霊棚に帰ってくるため、お仏壇は閉めておきましょう。
飾りや準備するものも地域や宗教によって異なりますが、本格的なお飾りとなると場所も取り、用意も大変です。
ここではマンションなどでもできる、一般的で簡単な精霊棚の作り方をご紹介致します。
飾る時期
7月(または8月)13日の朝
飾るもの
- 経机、または小机
- マコモのむしろ、または敷物
- お香立て
- リン
- 花瓶と盆花
- お供え物(季節の果物や故人の好きな食べ物、団子など)
- ナスの牛、キュウリの馬(割り箸を短く折り、野菜に刺して四本の足を作る)
- 提灯(新盆の場合は白提灯)
飾り方
- お仏壇の前に経机、または小机を置き、マコモを敷く。
- お位牌を机の中央に安置する。複数の場合は古いものから右から左へと置きます。新盆の場合は、対象となるお位牌を真ん中に安置します。
- お位牌の前にお香立てを置き、右にリン、左に盆花を生けた花瓶を置く
- ナスの牛とキュウリの馬をお供えする
- 用意したお供えを空いているスペースに置く
- 精霊棚の両脇に提灯を置きます。
お盆の片付けと送り火のやり方とお供えのまとめ
- お盆の片付けは16日、または17日以降(一般は8月、東京は7月)
- 送り火はご先祖様がお帰りになる時のお見送りの火で16日に行う
- マンションでは火を使う制約が多いので送り盆ですぐに消火でもOK
お盆は各家庭の風習が色濃く出る、大切な行事の一つです。
特に実家で行う場合は、お姑さんや兄弟のお嫁さんなど顔をあわせることになるので心身ともに気疲れすることでしょう。
何かと忙しい毎日ですが、お盆を機会に家族皆様でご先祖様のことを思い、感謝し、楽しい時間を過ごせると良いですね。