テレビの寿命年数は何年?平均と症状【プラズマ・液晶・有機EL・4Kの比較と体験談】
テレビといえば、リビングに置いてある家電の代表的なもの。
最近では、液晶テレビ・有機ELテレビなど、映像がどんどんキレイになっています。
2020年の東京オリンピックにむけて、4K・8K放送にも注目が集まっています。
ここまで技術の進歩が早い家電は、なかなかありませんね。
感動を伝えてくれるテレビですが、急にテレビが故障して、寿命を迎えることがあります。
テレビが寿命になっても、洗濯機や冷蔵庫と違い、生活が困ることはありません。
しかし、大好きなドラマや音楽番組等、自分の好きな番組が見れなくなるのは困りますよね。
また災害時に、正確な情報を提供してくれる力も、テレビにはあります。
「最近テレビが暗く感じる」「横線や縦線がテレビ画面に現れる」「音声が変になった」等の症状があると、テレビの寿命かもしれません。
そこで今回は
- テレビの寿命年数は平均何年?
- プラズマ・液晶・有機ELの寿命(使用時間)の違い
- 4Kテレビや8Kテレビの寿命は何年?
- テレビの寿命の症状
- ブラウン管・プラズマ・液晶のテレビ寿命体験談
- テレビの寿命が縮む使い方
をご紹介していきます。
テレビの寿命症状がわかれば、火災等の事故も防げます。
他にも、テレビの寿命が縮む使い方をご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
テレビの寿命年数は平均何年?
「テレビの寿命年数は平均何年?」かは、内閣府が実際に調査しています。
内閣府の行った統計情報「消費者動向調査」では、2017年度のテレビ寿命は「9.2年(総世帯数)」です。
総世帯数とは「二人以上の世帯」と「単身世帯」を合わせたものになります。
「二人以上の世帯」のテレビの平均寿命は「9.3年」、「単身世帯」ではテレビの平均寿命は「9.2年」です。
◆テレビの平均寿命(世帯別)
総世帯数 | 二人以上の世帯 | 単身世帯 | |
2015年 | 7.3年 | 7.4年 | 7.1年 |
2016年 | 7.5年 | 8年 | 6.5年 |
2017年 | 9.2年 | 9.3年 | 9.2年 |
上記の表は、2015年から2017年までの調査結果です。
少しですが、テレビの平均寿命の年数が上昇していますね。
ですが、テレビの寿命には、故障以外の「社会的な寿命」もあります。
電波の影響で迎えるテレビの寿命
例えば、2011年に開始された地デジ放送のように、電波の影響で、買い替えが必要になるケースです。
私の実家も、故障はしていないけど、テレビが見れなくなるので、液晶テレビに買い替えをしていました。
このように、半ば強制的な寿命を迎える家電は、テレビくらいですね。
今後は、4K・8K放送が始まることで、テレビの「社会的な寿命」を迎える可能性が考えられます。
「最近、地デジに変わったばかりなのに、もう4K・8K放送?」という感じですが、いずれは4K放送が主流になる可能性があります。
4K・8K放送は2018年からBSのチャンネルで開始が予定されています。
しかし、現在販売されている4Kテレビでは、4K・8K放送が見れず、別途チューナーが必要です。
今後、4K・8K放送を受信できるテレビが販売されれば、故障ではない「社会的な寿命」を迎えるテレビが増える可能性もあります。
テレビ部品の各メーカーの保有期間
また、テレビには、「部品の保有期間」が決まっています。
部品の保有期間は、各メーカーの取扱説明書の「補修用性能部品の保有期間」に表記があります。
部品が無くなれば、テレビを修理することができないので、寿命になることも…
なので、自分のテレビメーカーの部品が、どのくらい保有されるのか把握しておきましょう。
◆テレビ部品の保有期間(メーカー別)
ソニー(ブラビア) | 8年 |
東芝(レグザ) | 8年 |
シャープ(アクオス) | 8年 |
日立(Wooo) | 8年 |
パナソニック(ビエラ) | 8年 |
LG | 8年 |
上記はメーカー別の「補修用性能部品の保有期間」の一覧です。
どのメーカーも「8年」保有すると記載があります。
ちなみに保有期間は、テレビの製造が終了してから開始されるものです。
液晶・プラズマ・有機ELの寿命(使用時間)の違い
テレビの寿命は、使用時間が長いほど、短くなります。
テレビは、輝度(明るさ)が50%以下になったら、寿命と言われています。
液晶・プラズマ・有機ELなどテレビの種類によって、寿命を迎えるまでの使用時間に違いがあります。
- 液晶テレビ:6万時間
- 有機ELテレビ:3万時間
- プラズマテレビ:10万時間
- ブラウン管テレビ:3万時間
1日8時間テレビを見ると仮定すると、寿命の年数がこちら。
- 液晶テレビ:6万時間÷8時間÷365日=「約20年」
- 有機ELテレビ:3万時間÷8時間÷365日=「約10年」
- プラズマテレビ:10万時間÷8時間÷365日=「約32年」
- ブラウン管テレビ:3万時間÷8時間÷365日=「約10年」
現在、主流となるテレビの種類は「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」になります。
以前は、「液晶テレビ」と「プラズマテレビ」でしたね。
「液晶テレビ」の寿命が「6万時間」のは、画面内部のバックライトが原因です。
バックライトは6万時間をかけて、輝度(明るさ)が50%になってしまいます。
プラズマテレビ寿命は2~3万時間の可能性
「プラズマテレビ」の寿命は「10万時間」になっていますが、10万時間は2010年頃以降に製造されたパナソニックのパネル寿命です。
パナソニックのパネルは、日立の「Wooo」も使用しています。
初期のプラズマテレビであれば、2~3万時間の使用時間が多かったので、古いプラズマテレビであれば、「2~3万時間」と考えておきましょう。
有機ELテレビは寿命が伸びる可能性も
「有機ELテレビ」には、バックライトはありませんが、使い続けると輝度(明るさ)が低下します。
ソニーの試験では、3万時間で輝度(明るさ)が50%になりました。
ただし、メーカーによって、使用時間の寿命に対する、主張が違います。
例えば、家電メーカーのLGは2016年の時点で、「有機ELテレビ」が10万時間に耐えられるようになったと主張しています。
そう考えると、「有機ELテレビ」の寿命は今後伸びる可能性があるかもしれないので、寿命になる使用時間は、あくまで目安と考えたほうがよいです。
寿命となる使用時間は、テレビの使用状況でも変わります。
画面の明るさ設定を、高くしているテレビのほうが、劣化が激しくなるからです。
つまり、使い方や環境によって、目安の使用時間よりも、早く寿命を迎えることもあります。
>>>他の家電の寿命情報がこちら。
4Kテレビや8Kテレビの寿命は何年?
これからテレビの買い替えを検討している人は、4Kテレビの購入を考える人も多いですよね。
4Kテレビと8Kテレビの寿命は、何年なのでしょうか?
4Kテレビの、テレビ(パネル)画面は2種類あります。
- 液晶パネル
- 有機ELパネル
実は4Kテレビも、8Kテレビも、「液晶」か「有機EL」どちらかのパネルで作られます。
それぞれのパネルで「4K液晶テレビ」「4K有機ELテレビ」と呼ばれているのです。
先にもご紹介したとおり、液晶テレビの寿命は「6万時間」が目安になります。
有機ELテレビは「3万時間」が寿命の目安です。
1日8時間テレビを見ると仮定して、寿命目安である使用時間を計算すると、下記の結果になります。
- 液晶テレビ:6万時間÷8時間÷365日=約20年
- 有機ELテレビ:3万時間÷8時間÷365日=約10年
つまり、1日8時間なら「4K液晶テレビ」は「20年」、「4K有機ELテレビ」は「10年」が寿命の目安となります。
8Kテレビについては、開発が進んでいる状態。
シャープが「8K液晶テレビ」を主力にすると発表していますし、ソニーとパナソニックが共同で8K技術を開発しています。
まだまだ、これから開発される商品ですが、8Kテレビも「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」の開発されるので、使用時間や寿命の目安も4Kテレビと同じです。
ただし、テレビメーカーによって、「有機ELテレビ」の寿命に対する、調査結果や主張が違います。
LGの主張では、有機ELテレビの寿命は「10万時間」です。
しかしシャープは、有機ELテレビは輝度が「400時間で約80%低下」「600時間で70%低下」すると発表しています。
まだ開発段階なので、新しい技術が使われて、テレビの寿命が延びることも考えられますね。
テレビの寿命の症状は?
テレビの寿命と言える症状には、どのようなものがあるのでしょうか?
以下のような症状がでたら注意が必要です。
- 輝度(画面の明るさ)が半減した
- 電源が入らない
- 画面に異常(横線や縦線・真っ暗・色が変)
- 音声に異常
- 煙が出るor焦げ臭い
- 電源コードやプラグが異常に熱い
テレビの輝度(画面の明るさ)が半減した
テレビの寿命症状で、1番の目安となるのは、画面の明るさである「輝度」です。
「液晶テレビ」でも「有機ELテレビ」でも、時間とともに劣化がすすみ、輝度が低下します。
テレビ画面が暗く感じて、明るさの設定変更を考えた時は、年数などと合わせて注意してみてください。
電源が入らない
テレビの寿命症状の1つに、テレビの電源が突然入らなくなることがあります。
電源が入らない原因は、メイン部品の「基盤」が劣化が考えられます。
基盤の修理や交換は、7万円するケースもあるので、テレビが買い替えになることもあります。
画面に線等の異常がでる
テレビの寿命症状に、画面の異常があります。
- 横線が入る
- 縦線が入る
- 真っ暗になる
- 色が変になる
テレビ画面にある日突然、「横線」や「縦線」が入ることがあります。
最初はよく見ないと気づかない程度だった横線・縦線が、数日すると増えたり、大きくなることもあります。
横線や縦線の色は、「黒・緑・白」で出ることが多いです。
また、画面が真っ黒になる症状もあります。
音声は聞こえるのに、テレビ画面だけが真っ黒になる症状です。
その他にも、画面関係の寿命症状には、色が変になるケースもあります。
映像全体が黒く感じたり、あからさまに変な色(赤や黄など)が出る症状です。
横線・縦線も含めて、画面の寿命症状の原因は、バックライトの劣化や、基盤の劣化が考えられます。
バックライトの交換は、テレビ画面のサイズにもよりますが、部品や出張費など合わせて10万円以上になった情報もあります。
音声が割れる・途切れる
テレビの寿命症状に、音声の異常もあります。
音が割れたり、途切れたりする症状から、まったく聞こえなくなる場合も…
寿命と言える音声の異常は、「スピーカー」や、「基盤」の劣化が原因です。
スピーカーなら1万~2万円で修理や交換が可能な場合もありますが、基盤の場合は7万円程度かかることもあります。
煙が出るor焦げ臭い匂いがする
テレビの寿命症状の中で、特に注意したいのは、テレビから煙が出たり、焦げ臭い匂いがした時です。
テレビ内部に「ホコリ」が溜まったり、内部部品の劣化して放電して火災が起こったこともあります。
また、年数だけでなく、製造不良で発火が起こり、リコールが出ています。
電源コードやプラグが異常に熱い
電源コードやプラグが異常に熱い場合も、火災の危険がある、寿命の症状です。
電源コードやプラグには、熱くならないよう「絶縁体」がしてあるのですが、年月で劣化します。
劣化した「絶縁体」は、熱を通しやすくなるので、電源コードやプラグが異常に熱くなります。
テレビの寿命症状が出たらどうすればいい?
テレビの寿命の症状が出た時は、
- 電源を切る
- 電源プラグを抜く
- メーカーに連絡
上記のように、電源プラグを抜いてから、連絡をするようにしてください。
劣化が激しいテレビは、事故や火災につながることがあります。
ブラウン管・プラズマ・液晶のテレビ寿命体験談
ブラウン管のテレビ寿命
これまで、我が家もいろいろなテレビを買い替えてきましたが、テレビによって寿命が違いました。
ブラウン管で持っていたテレビと寿命がこちら。
- ナショナル:14年
- 東芝:20年
ナショナルのブラウン管テレビは、リビングに置いていたテレビ。
途中で故障したこともありましたが、14年と長い年数もってくれました。
ブラウン管のテレビは、ちょっと叩いたら映像が映ることもありましたね。
東芝のテレビはテレビデオで寝室用、あまり使っていなかったので、テレビの寿命が20年続きました。
しかし、2011年に地デジ放送へ切り替わったので、テレビが映らなくなりました。
もし、地デジ放送への切り替わりがなかったら、20年以上使えていましたね。
プラズマと液晶テレビ寿命
ナショナルのブラウン管テレビの後、リビングのテレビは、プラズマテレビの日立「Wooo」を、寝室は液晶テレビの東芝「レグザ」を使っていました。
他にも、東芝のレグザの液晶テレビを使っています。
- プラズマ日立「Wooo」:7年
- 液晶東芝「レグザ」:10年以上
プラズマ日立「Wooo」は購入して6年程で緑色の縦線が入るようになりました。
それから使い続けていくと縦線がたくさん入るようになったので、7年で「パナソニック」の液晶テレビに買い替えました。
買い替えたパナソニックの液晶テレビは、今も現役で、5年以上経過しています。
寝室用の東芝「レグザ」は既に10年以上経過、現在11年目です。
自分の体験談から言うと、「プラズマテレビ」よりも「液晶テレビ」が長持ちしていますね。
テレビの寿命が縮む使い方
テレビの寿命が伸びるように、各メーカーは新しいテレビを作っています。
しかし、どれだけ技術が進歩しても、テレビの寿命が縮む使い方をしていては意味がありません。
テレビの寿命が、縮む使い方には以下があります。
- 長時間使用
- 画面の明るさ設定が高い
- 直射日光
- ゲームの利用
- 掃除をしない
テレビの寿命が縮む使い方の、詳細をご紹介しますね。
テレビを長時間使用する
先にもご紹介したとおり、テレビには使用時間による寿命があります。
長時間使用している人のほうが、寿命を削っていると言えます。
- 液晶テレビ:6万時間
- プラズマテレビ:10万時間
- 有機ELテレビ:3万時間
目安では、液晶テレビでも、有機ELテレビでも、長く使うことができます。
プラズマテレビも長く使えますが、昔のプラズマテレビは2~3万時間の使用時間も多いので、製造年数を確認すると良いです。
テレビの連続運転は、テレビ内部に負担をかけるので、寿命を縮めることにつながります。
テレビは、つけっぱなしにしやすい家電なので、使わない時は電源を切るようにしましょう。
画面の輝度(明るさ)設定が高い
テレビ画面の、明るさが高いとテレビの負担になり、寿命を縮めます。
ソニー関係者も、インタビューでテレビ画面の明るさ設定を、標準から低くすることで寿命が延びると公表しています。
常用する時や、調光が可能な部屋など、明るさ設定を低くできる場合は、オススメです。
目への負担軽減にもつながりますね。
テレビに直射日光が当たる
直射日光は、テレビにとってデメリットで、寿命を縮めることになります。
「熱」が負担になって、テレビ内部の部品の劣化につながるからです。
直射日光が当たらないところに、テレビを設置することがベストです。
ですが、電源やテレビアンテナは、窓際にあることが多いですよね。
そんな時は、カーテンなどで、日光を調整してください。
ゲームに利用する
ゲームの利用も、テレビの寿命を縮めることに、つながります。
ゲームは、輝度が高く、テレビ番組やレコーダー再生よりも負担になることがあるからです。
また、1部分に固定された映像が、長時間映し出されることがゲームにはあります。
例えば「ライフゲージ」「マップ」「スコア」といった表示部分です。
これは「焼き付き」を引き起こす原因になり、テレビに負担となります。
「焼き付き」とは、画面が切り替わっても、以前の残像が残っている状態です。
特に「有機ELテレビ」は、「焼き付き」に弱いので、ゲームをするときは設定などに注意しましょう。
掃除をしない
テレビ内部の掃除をしないことも、テレビの寿命を縮めることにつながります。
テレビには通風口があり、排熱が行われています。
通風口から、ホコリが侵入すると、内部部品の劣化につながるのです。
日常の掃除で、テレビ表面のホコリをとっておくようにしましょう。
また、月一で通風口に掃除機をかけることもオススメです。
ソニーの液晶テレビ、または有機ELテレビなら、有料で内部清掃を依頼することもできます。
ソニーは、「1年に1回の内部清掃」と、「5年に1度の点検」を推奨しています。
日常の掃除をちゃんとしていれば、業者依頼をすることは必要ないと思います。
中古や、譲り受けたテレビで、気になる場合は、業者依頼したほうが安心ですね。
テレビの寿命年数の平均と症状のまとめ
- テレビの寿命年数の平均は9.2年
- 社会的な寿命もある(地デジ放送など)
- 部品ならテレビの寿命は8年
- 液晶テレビは6万時間、有機ELテレビなら3万時間が目安
- 4Kも液晶テレビか有機ELテレビで寿命が違う
- 寿命症状が出たら、電源対策をしてから業者連絡
- テレビ寿命を縮める、使い方や置き場所、ホコリなどの汚れに注意
テレビは販売価格も高いですし、寿命まで長く利用したい家電です。
テレビの買い替え時に注意するのは、電気代や解像度になりがちですが、寿命も大切です。
しかし、テレビで火災になったケースもあるので、無理はせず、寿命を目安に買い替えることも検討しましょう。
液晶か有機ELテレビで、寿命が違うので、ライフスタイルにあったものを選ぶと良いですね。