パソコンの平均寿命と症状【デスクトップとノート・SSDとHDD・Macとwindowsの年数や違い】
パソコンは、デスクトップやノートパソコン、Macといった種類があります。
部品も、SSDやHDD、バッテリーや液晶など、たくさんある家電です。
パソコンの種類や部品によって、寿命の平均や年数が変わってしまいます。
実は、部品によって、寿命の目安が2年~3年だったり、5年なのがパソコンです。
「電源が入らない」「動作が遅い」「音がうるさい」などの症状が出たら、パソコンの寿命かもしれません。
そこで今回は
- パソコンの平均寿命は何年なのか
- パソコンの寿命の時間は何時間か
- デスクトップとノートパソコンの寿命の違い
- パソコンの寿命はSSDとHDDならどちらが長い?
- MacとWindowsのパソコンの寿命の違い
- パソコンの寿命の症状
- パソコンの寿命を診断・調べる方法
をご紹介します。
パソコンが故障すると、たくさんの時間が取られます。
できれば、違和感を感じた時にパソコンの寿命の症状を確認しておきましょう。
パソコンの平均寿命は何年?
「パソコンの寿命平均は何年なのか?」は、内閣府が行った調査結果があります。
2017年度に行った、内閣府の統計情報「消費者動向調査」では、パソコン寿命は「6.7年(総世帯数)」です。
総世帯数とは「二人以上の世帯」と「単身世帯」を合わせたものになります。
「二人以上の世帯」のパソコンの平均寿命は「6.8年」、「単身世帯」ではテレビの平均寿命は「6.6年」です。
◆パソコンの平均寿命(世帯別)
総世帯数 | 二人以上の世帯 | 単身世帯 | |
2015年 | 5.6年 | 5.8年 | 5.1年 |
2016年 | 6年 | 6年 | 6年 |
2017年 | 6.7年 | 6.8年 | 6.6年 |
上記が2015年から2017年の、統計結果です。
パソコンの寿命は、少しずつですが、年数が延びています。
ですが、パソコンには、部品による寿命のあるので、注意が必要です。
パソコンの部品による寿命
パソコンは、「有寿命部品」で作られています。
「有寿命部品」とは、使用頻度や使用環境によって、著しく劣化する可能性のある部品のことです。
特に、パソコンの部品で寿命になりやすい「有寿命部品」は、HDD(ハードディスクドライブ)です。
HDD(ハードディスクドライブ)が寿命になると、起動しなくなったり、フリーズするなど、操作ができなくなることも…
また最悪の場合は、思い出の写真など、保存していたデータがすべて消えてしまうことあります。
最悪の事態にならないためにも、HDD(ハードディスクドライブ)の寿命を知って、バックアップしておきましょう。
HDD(ハードディスクドライブ)を含む、「有寿命部品」には、以下のような部品があります。
- ディスプレイ(液晶)
- キーボード
- マウス
- HDD(ハードディスクドライブ)
- SSD(ソリッドステートドライブ)
- 光学ドライブ(DVD・Blu-rayドライブ等)
- ファン
- タッチパッド(ノートパソコンにあるマウスを指で操作する部分)
- ACアダプタ
- 電源ユニット
「有寿命部品」の寿命は、「約5年」と表記しているパソコンメーカーがほとんどです。
ただし、長時間連続使用した場合では、寿命目安が、「約3年」になることもあります。
パソコンの寿命は、「使用環境」「使用頻度」で、大きく変わってしまうのです。
また、パソコンの部品で、寿命になりやすい部品には、バッテリーがあります。
ですが、パソコンのバッテリーは、「有寿命部品」には含まれていません。
パソコンのバッテリーは「有機寿命部品」ではなく、「消耗品」になり寿命が違います。
バッテリーは「消耗品」なので、使えば使うほど容量が減っていきます。
パソコンのバッテリーの寿命は?
パソコンのバッテリーの寿命は、「約2年~3年」です。
パソコンメーカーは、バッテリー容量が半分(50%)になった時を、寿命としています。
カタログに10時間バッテリーと記載されているパソコンが、5時間以下しか使えなくなったら、バッテリーの寿命です。
バッテリー容量が、半分(50%)になる目安は、充電と放電(パソコン利用)を繰り返し500回することです。
週に5回、充電して利用すると仮定すれば、1年間の充電回数は「充電5回×4週×12ヶ月=240回」になります。
2年なら480回になるので、約500回ですね。(※使用環境が悪いと、充放電の回数が300回になることもあります。)
ちなみにMacノートブックは、充放電回数の上限が公表しています。
型番によって充放電回数が違い、「300回」「500回」「1000回」の3種類です。
また、Macノートブックには、何回充放電したかを確認する方法もあります。
パソコンは、バッテリーが寿命になっても、コンセントにつないだまま、利用することはできます。
ですが、旅先や仕事など、バッテリーだけで利用したい時は不便ですよね…
そんな時は、パソコンの部品を、交換することもできます。
実は、「有寿命部品」や「消耗品」であるバッテリーなど、パソコンの部品は、交換することができるのです。
ただし、パソコンの部品は保有期間があるので注意が必要です。
パソコン部品の各メーカーの保有期間
パソコンを作る各メーカーは、部品の保有期間を決めています。
カタログや取扱説明書に記載されている「補修用性能部品の保有期間」が、部品の保有期間です。
どれだけ大切にパソコンを利用しても、部品がなければ修理や交換ができません。
自分のパソコンの部品が、どれくらい保有期間があるか、把握しておきましょう。
◆パソコン部品の保有期間(メーカー別)
VAIO | 5年(製造終了後から) |
パナソニック(Let’s note) | 6年(製造終了後から) |
富士通(FMV) | 6年(製造終了後から) |
NEC(LAVIE) | 6年(製造終了後から) |
東芝(dynabook) | 6年6ヶ月(製造発表月から) |
マウスコンピューター | ホームページに記載なし |
各メーカーによって「補修用性能部品の保有期間」の、開始時期、期間に違いがありますね。
またマウスコンピューターのように、記載されていないメーカーもあります。
「補修用性能部品の保有期間」が記載されていないのは、外資系のメーカーに多いです。
◆外資系パソコン部品の保有期間(メーカー別)
Mac(Apple) | 5年間(製造中止後) |
DELL | ホームページに記載なし |
ASUS | ホームページに記載なし |
Lenovo | ホームページに記載なし |
HP | 3年間(製造終了後) |
Acer | 3年(製品販売終了後) |
日本メーカーのパソコンと、外資系パソコンで、修理や交換の時に対応が違うので、大変だったというケースが口コミにあります。
パソコンを長く利用したい人は、「補修用性能部品の保有期間」の、記載があるパソコンメーカーがオススメです。
パソコンの寿命の時間は何時間?
パソコンの寿命は、時間で知っておくことも大切です。
先ほど、HDDなど「有寿命部品」は約5年で寿命になると、ご紹介しました。
しかし、パソコンを24時間フルに利用して、5年持つわけではありません。
24時間など長時間連続利用すると、パソコンの負担になり、寿命は短くなって壊れてしまいます。
なので、パソコンメーカーは、使用時間を定めて、寿命目安を5年としているのです。
多くのメーカーが、定めている使用時間は、「1日8時間」です。
1日8時間の利用であれば、寿命の目安が5年としています。
ただし、1年間で何日利用するかには、各メーカーで違います。
- 250日:パナソニック
- 300日(※1ヶ月に25日で):東芝 Lenovo HP
- 365日:NEC
- ホームページに記載なし:富士通 VAIO マウスコンピューター Mac DELL ASUS Acer
つまり「1日8時間」利用できても、日数が違うので、目安となる寿命時間は変わります。
1年の定めた日数 | 1年間の目安 | 5年間の目安 |
250日 | 2,000時間 | 10,000時間 |
300日 | 2,400時間 | 12,000時間 |
365日 | 2,920時間 | 14,600時間 |
どのメーカーも、使用時間や日数はあくまで目安です。
パソコンの寿命時間は、使用環境によって変わるものだと記載しています。
ですが、長くパソコンを使いたい人は、寿命時間も参考になりますね。
デスクトップとノートパソコンの寿命の違い
パソコンの寿命はデスクトップが長く、ノートパソコンが短いと考えられています。
デスクトップも、ノートパソコンも部品は同じなので、理論上は同じ寿命です。
しかし、先ほど、ご紹介した「有寿命部品」や「消耗品」の寿命目安は、一定の環境で計算された年数です。
持ち運びする人が多いので、ノートパソコンには使用環境のリスクがあります。
- 使用環境の温度や湿度が一定ではない
- 持ち運びによる振動・衝撃を受ける
上記2つが、デスクトップと、ノートパソコンを利用する上での違いです。
デスクトップより、ノートパソコンのほうが、リスクが高いと言えます。
ノートパソコンも、デスクトップも、どちらも購入した体験がありますが、ノートパソコンのほうが、不調が多く、寿命が短いと感じています。
利用している時に、熱くなりやすかったり、ファンが大音量で回ることが、ノートパソコンが多いです。
実際に、ノートパソコンのほうが寿命が早く、2年でダメになったこともあります。
ノートパソコンのほうが、排熱がしにくいので、部品への負担が大きかったのではないかと考えます。
デスクトップであれば、部品の交換が簡単なタイプもあるので、長く利用できる可能性が高いです。
パソコンの寿命はSSDとHDDならどちらが長い?
パソコンのストレージには、「SSD」と「HDD」があります。
SSDとHDDなら、どちらが寿命が長いのでしょうか?
多くのメーカーは、SSDもHDDも「有寿命部品」なので、約5年が寿命目安としています。
ですが、SSDはHDDよりも新しい技術なので、まだしっかりとした寿命目安がありません。
ニュースサイトなどでは、SSDのほうが寿命が長いとする、調査結果があります。
SSDとHDDでは、メリットとデメリット、強い点と弱い点があるので、使用環境によって寿命に違いがでるのです。
SSD | HDD | |
耐久性(振動・衝撃・熱など) | 強 | 弱 |
低発熱 | 強 | 弱 |
低電力 | 強 | 弱 |
データ保持期間 | 弱 | 強 |
データ書き換え回数 | 弱 | 強 |
データ復旧 | 弱 | 強 |
上記は、SSDとHDDの、寿命に関係のある能力を比較しています。
SSDのメリットは、「耐久性(振動・衝撃・熱など)」「低発熱」「低電力」が強い点です。
「耐久性」が強いので、自宅やオフィス以外の外でも利用しやすく、「低発熱」なのでパソコンへの負担も軽減できます。
またSSDは「低電力」なので、バッテリーの容量がある、ノートパソコンと相性のよいストレージです。
ただし、パソコンに記録した写真などの「データの保持期間」は、HDDのほうが強いです。
SSDは、温度が高い場所で、まったく使用しないと、数週間でデータが消失する可能性があります。
また、HDDと比べて、SSDは「データの書き換え回数」が少ないデメリットがあります。
SSDには、データが故障した場合の「データ復旧」が、確立されていません。
パソコンが寿命になり、バックアップを取っていない時は、リスクがあります。
つまり、「耐久性」などから、パソコン部品の寿命は、SSDのほうが強いです。
データ関連の寿命に関しては、まだHDDのほうが、強くて信頼性が高いと言えます。
もちろん、使用環境や使用回数、書き込みデータ量によって、寿命の目安は変わります。
さらに、SSDが主流となっているので、パソコンのストレージで、HDDを選ぶことは難しくなってきます。
大切なデータを消失しないために、バックアップをとって、SSDとうまく付き合っていくことが重要ですね。
MacとWindowsのパソコンの寿命の違い
パソコンには、大きく分けてMacとWindowsがあります。
寿命としては、どちらが長いのでしょうか?
Macは、パソコンの寿命と言える使用年数を、4年と想定していると公表しています。
これは、短めに想定していますが、過去データにもとづいていると記載されています。
対して、Windowsは多くのメーカーが、5年を寿命目安にしています。
寿命目安が5年なのは、パソコン部品が、5年で寿命になる可能性があるからです。
ですが、使用環境や使用時間が長ければ、寿命目安が3年になることもあります。
パソコンの寿命の症状
パソコンが、寿命となった時に出る症状があります。
寿命症状が出るのは、以下の部分です。
- 電源
- 動作・操作
- 液晶
- 音
- その他
それぞれの特徴的な状態をご紹介します。
電源の寿命症状
- 電源が入らない
- 電源が勝手に切れる
- 再起動が勝手にされる
- 起動するのに時間がかかるようになった
動作や操作の寿命症状
- パソコンの動作が遅くなった
- ファイルが開くのが遅くなった
- エラーメッセージが出る
- フリーズする
液晶の寿命症状
- 液晶ディスプレイに線がでたり、暗くなる
- 液晶ディスプレイが青いまま固まる(ブルースクリーン)
音の寿命症状
- パソコンから異音がでる(ガリガリガリ・ギギギなど)
- ファンの音がうるさくなる
その他の寿命症状
- 焦げ臭い匂いがする
- パソコンが異常に熱くなる
上記の症状は、寿命の場合もあれば、故障の場合もあります。
修理・交換を依頼する前に、各メーカーの問い合わせページなどで、改善できないか確認をしましょう。
改善できない場合は、修理・交換を依頼することになるので、以下を準備してください。
- バックアップを取る(※可能であれば)
- パソコン本体と付属品を準備
- 保証書を準備
- 追加したアプリなどを把握しておく
準備をしてから、パソコンメーカーに、メールか電話で依頼すればスムーズに対応してもらます。
修理や交換を依頼しても、料金が高額になることがあります。
その場合は、残念ですが、使用年数などを考えて、買い替えも検討してください。
パソコンの寿命を診断・調べる方法
パソコンの寿命を、診断して調べる方法があります。
使用しているパソコンが、Windowsなら「CrystalDiskInfo」で診断できます。
「CrystalDiskInfo」は、パソコンの部品である、HDDやSSDを診断するツールです。
「正常」「注意」「異常」の3段階で、診断結果がでます。
あくまで寿命の目安ですが、症状などが気になった時に使うと便利ですね。
パソコンの寿命の平均と症状のまとめ
- パソコンの寿命は平均6.7年
- 有寿命部品は約5年で寿命(10,000時間~14,600時間)
- バッテリーは2年~3年で寿命
- 部品の保有期間は3年~6年、不明のメーカーもあるので注意
- デスクトップのほうが寿命リスクが低い
- SSDは5年が寿命目安、耐久性が高いがデータ面で弱い点あり
- Macの寿命目安は4年
- 寿命の症状が出たら、まずバックアップを取ろう
- 寿命を診断するツールはあくまで目安
昔と比べると、パソコンより、スマホやタブレットを利用することが多くなりました。
ですが、思い出など、大切なデータは、パソコンで管理することが多いです。
バックアップをしていないと、データ復旧などに時間をとられ、最悪の場合、思い出は無くなってしまいます。
自分のパソコンの寿命目安を知っておけば、大切なデータを守れます。
もちろん日頃から、バックアップもしておきましょう。